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私はかれこれ30年以上、ものづくりに携わって来ました。
　最初は金属切削加工機械のオペレーターとして、ですので「もの造り」でしたが、数年後には別の会社でCAD設計を学ばせて頂き、徐々に「もの創り」に移行していきました。
　「もの造り」でも「もの創り」でも、その仕事を長年やってきて大事だと思う事は、どちらも同じです。
　それは《想像力》です。
　想像力は、学校で学んだことを活かして「こうすればこうなる」と言うアタマを使った予測力とは少し違って、もっと身体的と言うか皮膚感覚というか、そうした言葉では言い表しにくいところから湧き出てくるモノで、とても個性的でもあると思います。その人がそれまで生きてきた中で得た《何か》を通して出て来る発想、イメージみたいなもの、と私は考えています。
　で、想像が創造を生む、とも思っています。使い易いとかカッコいいとか、触りたくなるとか、それはデータで導き出そうとするには限界があると思います。モヤっとした極・個人的な想像から、創造的なモノが生まれるのです。
　ところが最近は、想像をしない人が多い気がします。データを分析し、計算すれは想像なんかしなくても答えが出る。そう思っている人が多いのではないでしょうか？
　想像は優しさにも繋がると思うのですが、近ごろの創造的とされる色んなものに優しさを感じられないのは、私だけでしょうか？